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佐藤 哲也
化学, 71(3), p.12 - 16, 2016/03
103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギー測定の結果、我々はローレンシウムがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明した。その一方、得られた実験結果から推測される電子配置からは、ローレンシウムは13族に類似した最外殻電子軌道をもつことが示唆された。本研究により、ローレンシウムとルテチウムの周期表における位置に関する議論が再燃した。一連の研究成果とその後の議論について、解説する。
秋山 和彦; Zhao, Y.*; 末木 啓介*; 塚田 和明; 羽場 宏光; 永目 諭一郎; 兒玉 健*; 鈴木 信三*; 大槻 勤*; 坂口 正彦*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 123(1), p.181 - 182, 2001/01
被引用回数:66 パーセンタイル:84.89(Chemistry, Multidisciplinary)タンデム加速器を利用し生成した崩壊する放射性アクチノイドトレーサー(Am,Np,U)を用いてアクチノイド金属内包フラーレンを合成し単離することに初めて成功するとともに、以下のような性質を明らかにした。放射性アクチノイドを含むフラーレンをアーク放電法で生成し、CS溶媒中に抽出された生成物をトルエン溶媒に溶かし、2種類のHPLCカラムの溶出挙動を得た。その結果Am,Np及びVを内包したフラーレンのHPLC挙動は+3価で内包されると考えられる軽ランタノイド(La,Ce,Pr,Ndなど)と良く似た挙動を示すことがわかった。ウランについては大量合成にも成功し、最も多い溶出部を対象にTOF/MSによる化学種同定を行った。その結果、この成分がU@Cであることを確認した。また紫外可視近赤外領域の光吸収スペクトルから、f軌道に3つの電子を持つNd@Cとの類似性を得ることができた。
中原 弘道*; 永目 諭一郎
日本原子力学会誌, 41(4), p.389 - 391, 1999/04
最近10年間、我が国で行われた核化学研究の成果について概観する。とりわけ急速に開発・整備されつつある各種の質量分離器を使って行われた新核種探索研究の成果と精力的に行われているアクチノイドの核分裂研究の成果を中心に述べる。
田村 浩司
化学と教育, 46(7), p.414 - 417, 1998/07
ウラン同位体の代表的分離法について紹介を行った。電磁質量分離法は電磁場中でのイオンの挙動が、その質量により異なることを利用した手法である。ガス拡散法は、重さの違う分子の拡散速度の違いを利用している。遠心分離法は遠心力場で重さの違う分子の分布の違いを利用している。レーザー法では同位体のわずかなエネルギー差を利用して分離している。化学交換法では、6価と4価のウランイオンの酸化還元のされやすさの違いを利用している。これら分離法の原理、特徴、実用化の段階などについて、解説を行った。
森川 恒安*; 大島 真澄; 関根 俊明; 初川 雄一; 市川 進一; 飯村 秀紀; 長 明彦*; 柴田 理尋; 谷口 秋洋*
Physical Review C, 46(1), p.R6 - R9, 1992/07
被引用回数:23 パーセンタイル:75.77(Physics, Nuclear)オンライン質量分離したLaの崩壊から、-遅延同時計数法によりBaの第一2状態の半減期を測定した。Baについて、それぞれ、297(13),297(26),141(8)psの半減期が得られた。半減期から求めたB(E2:O2)の値は、Baが最も大きな変形を有している事を示している。IBM-2による計算値との比較を行ない、B(E2)の中性子数に対する系統的な変化についての考察を行なった。
大島 真澄; 関根 俊明; 市川 進一; 初川 雄一; 西中 一朗*; 森川 恒安*; 飯村 秀紀
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 70, p.241 - 244, 1992/00
被引用回数:7 パーセンタイル:60.94(Instruments & Instrumentation)安定線から離れた原子核を調べるためには、核反応で生成された原子核の高速引出しがISOLイオン源に要求される。この目的にはイオンガイド型イオン源が最も適している。しかしながらこの方法はイオンの引出し効率が低く、その適用が限られていた。この欠陥を補うために、我々はレーザーを導入して原子の多段階共鳴電離によりその効率を改善することを試みた。銅蒸気レーザーと2台の色素レーザーを用いたオフライン実験においてBaの原子が3段階の共鳴電離を起して生じた+1価のイオンを検出することができた。その実験結果とイオン化効率の測定結果について報告する。
C.N.Davids*; B.B.Back*; K.Bindra*; D.J.Henderson*; W.Kutschera*; T.Lauritsen*; 永目 諭一郎; P.Sugathan*; A.V.Ramayya*; W.B.Walters*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 70, p.358 - 365, 1992/00
被引用回数:271 パーセンタイル:99.74(Instruments & Instrumentation)米国アルゴンヌ国立研究所タンデムリニヤック加速器(ATLAS)施設における反跳質量分離装置(フラグメント・マス・アナライザー)の概要ならびに作動試験と現状について報告する。
青木 涼太*; 佐藤 哲也; 大谷 怜; 鈴木 颯人; 伊藤 由太; 浅井 雅人; 塚田 和明; 永目 諭一郎*
no journal, ,
超重元素イオンビームを物理・化学研究に応用するため、短寿命単一原子に適用可能なイオンビーム生成法の開発を進めている。本研究では、イオン化エネルギーの大きな単一原子または分子をイオン化するためのイオン化法として、電子ビーム誘起プラズマ(Electron Beam Generated Plasma)法を採用した。EBGPイオン源では、カソード電極からの電子を、数100Vのカソード-アノード間電圧によって加速し、得られた電子ビームによる電子衝撃によって、アノード電極内に導入した核反応生成物原子あるいは分子をイオン化する。今回、EBGPイオン源および周辺システムを構築し、単一原子のイオン化に向けた最適条件の探索を開始したので報告する。